アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02)
みどりのThat’s録・馬に魅せられて (馬旅2019年 創刊号01) みどりのThat’s録・馬に魅せられて (馬旅2019年 創刊号01) みどりのThat's 録 (ウィリー)
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Mar

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2019

みどりのThat's 録 (看板作製・シンクロニシティ)

シンクロニシティという言葉をWikipediaで調べると、
「日本語では「共時性」と訳され、複数の出来事が意味的関連を呈しながら非因果的に同時に起きることである。」
他にも難しい言葉でつらつらと書かれているけどここでは排除することにして・・・。

牧場では馬という生き物を中心に日々の明け暮れが巡って行き、
それが理由なのかシンクロニシティを伴いながら
馬たちと関わる人間をも含めて様々なドラマが繰り広げられる。

何か予期せぬ事が起こるとザワザワとした不安な感情が湧く傍ら
それらを客観視する別の自分がいるので、
なんとか今の仕事を続けていられるような感じだが
八方から異なる局面がアプローチしてくると、さすがに自分のコアを保つのは難しい。

「看板作製」というブログを書きながら牧場の流れを回顧し
シンクロニシティの不思議を楽しんでいたはずが、
最近はシンクロニシティが頻繁に起こり、楽しむ余裕はどこへやら・・・。

その一つとしてここ2ヶ月の間に、管理に神経を使わなくてはならない預託馬が
あれよあれよと言う間に11頭入ってきた。

色々書いても仕方ないので、
気を取り直してすっかり間延びしてしまった「看板作製」の続きを書くことにしたい。

客観的に捉える事のできない事件は、
2月のバレンタインデーに起こった。

普段使用するトヨタ車を修理に出して以来、トラックを足代わりにしていた訳だが
そのトラックが事もあろうにハイウェイでエンストしてしまったのだ。
外が薄暗くなった交通量の多い夕方、一人で運転中の出来事だった。

スミスフィールドで雑用を終わらせ、
帰宅途中の上り坂でアクセルを踏んだのにトラックは反応せず
逆にスピードが落ちてくるという今まで経験した事のない状態になった。
沢山の後続車が80キロのスピードで息絶え絶えのトラックを追い超していき
見送る私の心は不安と焦りではち切れそうになった。

(坂を登り切るまで頑張って!!・・・頑張れ!頑張れっ・・・!)
・・・とトラックに声をかけながらやっと緩やかな下り坂にさしかかり
そこで路肩へ寄せようとしたら急にハンドルが重くなった。
とうとうエンジンが止まってパワステの機能を失ってしまったのだ。

力の限りハンドルを回して路肩にトラックを止めしばらく茫然とした。
ここが日本なら私は迷わずJAFに電話をしただろう。
アメリカにもJAFと似たようなロードサービスをするAAAというのがあるが
加入していた時に呼んだら半日過ぎて来たときがあって
それ以来メンバーシップの更新は止めた。

牽引するサービスを探すにもネット環境が悪くてスマホが使えない。
しばらく通り過ぎる車を見送りながら頭を冷やし
ジミーおじさんに連絡をする事にした。

いつも、いつも何かあるとジミーおじさんにSOSを発信してしまう・・・、
本当に申し訳なくて自分の不甲斐なさを反省しながら呼出音を耳にすると
留守電に繋がったのでコールバックのお願いを入れた。

ところが、いつもならすぐにコールバックしてくれるのが
この日は30分近く経っても音沙汰なかった。

鶏の世話かトラクターを操作していて聞こえなかったのかもしれない
と思いながら再度かけたら電話に出てくれたので
私はまだ動転したまま口早に状況を説明した。

私がエンストした場所を伝えるとジミーおじさんは、
「今からそっちへ向かうから・・・」
・・・と言って電話を切った。

私は待っている間、
バックミラーで見慣れたジミーおじさんのトラックが現れるのをイメージしていたが、
後ろに来たのは見知らぬ普通の乗用車だった。

日が落ちて運転手が見えない・・・。
(誰か良からぬ目的でトラックを見に来たのかな・・・)
そんな疑惑が心をよぎり、不安な精神は更なる心配を生んだ。

車外には出ず様子を見ようとした時、後ろの乗用車から出てきたのは、
いつもとは違い小ざっぱりとした格好のジミーおじさんだった。

「バレンタインデーなのでスミスフィールドでファミリーディナーをしていたんだよ。
トラックに鍵はついているのか?」
とジミーおじさんはいつもの早口で質問しながら
トラックに乗りこみエンジンをかけようとしていた。
トラックはキュルキュルキュルと音を立てるが、ブォンとスタートしてくれない。

「原因はバッテリー?」と聞く私に
「音からしてバッテリーではなく、ディーゼルに水が混じっているのかもしれない。」
エンジンのかからないトラックから降りてきたジミーおじさんに、
給油した直後にエンストした事を伝えたので、一つの可能性を言葉にした。

そして 「さて、どうしたものか・・・。」 と言いながら再びトラックに乗りこむと、
下り坂を利用してジミーおじさんはトラックを更に路肩の隅に移動させ、
後ろに取り付けてある牽引用の道具を盗難されないように取り外して車内に入れた。

完全にエンジンの止まっている大きなトラックのハンドルを回すのは私には無理である。
また盗難防止の措置も私には思いつかなかった。
(男の人って凄い!)
とジミーおじさんの行動を見て頼もしさを感じた。

「また(ディナーに)戻らなくてはならないからその前に家まで送るよ。トラックはディーゼル車なのでガソリン車のメカを知ってる人でも修理は出来ないから、どこへ修理に出したらよいか知り合いに聞いてみるよ。 牽引の手配もしなくてはならないし・・・。」

そんなジミーおじさんの言葉を耳にしながら、
また迷惑をかけてしまって、それも大事な日にと申し訳ない気持ちでいっぱいになり、
穴があったら入りたいと思った。

それに付け加え一度に2台の車を修理に出す羽目になった状況に
その晩の私は、すっかり打ちひしがれてしまった。

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私や研修生ができない仕事をいつも手助けしてくれるジミーおじさん。
私だけでなく、ここへ研修に来る人たちにもジミーおじさんの存在は大きい。



 








2019/03/18 21:43:31 | リンク用URL

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