アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Dec

08

2013

祝88歳BD・最高のバースデー

誕生日イベントの数日後にわかった事だが、
英子さんもこの日はなぜか私と同じ様な感覚を味わっていた。
2人とも気がついたときは、オルガおばあさまは馬上の人になっていた、
ということで一致しているのだ。

私はエンターに噛みつかれたため馬に気が行っていて、
英子さんは馬を押さえながらやはり馬に気が行っていたので、
男性陣がオルガおばあさまを馬の背に乗せる瞬間を
2人して見逃してしまった。

英子さん自身は、私がブログでその時の彼女の様子を書くまで
自分が馬にした行動はまったく覚えていないという。
無意識の内に馬を押さえたというのだからすごい。

おばあさまが馬にまたがる瞬間を見る事は出来なかったが、
その時に英子さんが取ったとっさの行動から推測すると、
これに参加した人達全員の間には、
ぜったいに失敗してはならない、という緊張感があったのが感じられる。

その時は、不思議なほど静かで物音も人の声もしなかった。
今思い出しても空白の一瞬としか表現できない妙な時間の流れだった。

恐らくそこに参加していた全ての人の心には、
オルガおばあさまを何事もなく安全に馬の背に乗せるという使命感と、
そして、おばあさま自身が馬に乗る事を快く感じて欲しいという、
そんな思いが強かったに違いない。

みんなの差し迫る気持ちは、
オルガおばあさまが晴れて馬上の人になったときの様子からも感じる事ができた。

おばあさまを持ち上げた男性陣の1人に、ロベルトさんという陽気で、
パーティーが始まった時から、場の雰囲気を盛り上げてくれたムードメーカーがいた。
その彼が、おばあさまを馬上に見届けたとき、大きな声で何か叫んだ。

スペイン語だったので意味は分からなかったが、
ただ1つ聞き取れた単語に 「馬」というのがあったので、きっと、

「やったぁ〜! やったぁ〜! とうとうばあさまが馬にまたがったぞぉ〜〜〜!!!」
そのような事を叫んでいたのではないかと思った。

その叫びはまるで、なにかの試合で点数が入ったときの歓声のように私には聞こえた。

そして、ロベルトさんは歓声とともに手拍子を始め、周りで見ていた人達もそれに加わり、
全員大笑いの中、喜びとも興奮ともつかぬ感情をみんなで分かち合った。

私は、オルガおばあさまが馬から下りてしまう前に、
英子さんにエンターの手綱を渡し、撮影したのがこの写真だ。

DSC01467.jpg




オルガおばあさまはちょっと不安げな表情をされているが、
彼女を囲むみんなの笑顔がその時の全てを語っているような気がする。
ちなみに歓喜の声を上げたロベルトさんは、向かって左から2番目の方。

IMG_1925.jpg


IMG_1927.jpg



無事にオルガおばあさまに下馬してもらい、パーティーの最大のイベントが終わったあと
馬小屋で英子さんたちが用意したケーキにロウソクがともさた。
そして、オルガおばあさま88歳の誕生日は、親戚一同から暖かく祝福された。

最後に英子さんご一行が牧場を去るとき、
最初に出迎えたときと同じように一人ずつ握手を交わした。

お別れの握手の時は午前中の挨拶とは違い、
「ありがとう。」と互いにかわす言葉としっかり握りあった手から、
みんなと心が1つに通うような感じがして、なんとも嬉しかった。

私は、グリーンウェイランチを作ったときに、
ここは1つの舞台のような場所にしたいと思っていた。

ここに訪れた様々な人たちが主役になり、
馬たちに助演をしてもらって、自分の人生のストーリーを作っていく。

今でもその気持ちは変わらず、
この牧場が訪れる全ての人の舞台になるよう、
自分でできる役割は精一杯やっていく。

そんな、なにかを創造できる場所にしたいといつも思っている。

そして、オルガおばあさまのバースデーパーティーがあった11月23日は、
日頃の私の願いを完璧な形で実現できた、忘れられない1日となった。

この日は偶然にも自分の誕生日でもあり、
心がポッと温かくなる、いつまでも思い出に残るような
エキサイティングな1日を過ごせたのは、
私にとっても、最高のバースデーだった。








2013/12/08 1:37:28 | リンク用URL

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