アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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2014

天使の降臨 (7年前の記憶)

心配事で頭が冴えて、眠れないのは辛いものだ。
横になって目をつむっていても、貧乏揺すりをしたくなるような衝動にかられる。

いっそのこと、朝が来るまで何かやって気を紛らわしたかったが、
私は寝不足にとても弱く、そんな翌日はだるくて不機嫌になる。

明日は、間違いなく労働をするはめになるため、
たとえわずかでも眠って鋭気を養いたかった。


8年前、畑だった更地に牧場を作り始めたとき、
工事に関係した事柄を山ほど、一人で決めていかなければならなかった。

自分の感覚を生かした理想郷が作れるので、やりがいもあったが、
その過程には計り知れないほどのエネルギーを要した。

その1つに井戸水と公共水の選択があった。
迷ったあげく、敷地の奥に建てた母屋で使うのは井戸水と決めた。

井戸水は掘る場所によって当たり外れがあるためギャンブルだ。
近所の牧場で出た地下水は、鉄分が多くて飲料に適さず、
水回りを茶色く変色させてしまうのを見てきている。

けれど、都会で育った私は、井戸水にあこがれのようなものがあって、
どうしても井戸に賭けてみたくなった。

業者が持ってきた掘削機は想像していた以上に大きい。
私はそれを見て、とんでもない判断をしたのではないかと怖くなったが、
25メートル掘って出て来てくれた水は好結果だった。

良質のペットボトルの水と変わらない、甘くて美味しいものだ。

牧場全体でこの水を使いたかったが、道路に近いゲストハウスは、
法律で公共水を使うことが義務づけられていた。

せめて馬小屋には地下水を・・・と思ったが、母屋から300メールほど離れていて、
この距離に水道管を埋めるのは時間のかかる作業になる。

長引く工事に焦りを感じていた私は、早く馬を飼育できる状態にするため、
取りあえずゲストハウス用の水道管から馬小屋へ水を引くことにした。

それから半年が経ち、大がかりな工事がほぼ終了したころ、
滞在していた男性の研修生と一緒に、母屋から馬小屋まで、
長い距離に水道管を埋める作業をしたことがあった。
そのため、水道管が敷地内をどのように走っているのかは知っていた。

DSC00912.JPG


(母屋から撮影した馬房。)


水漏れが発覚した翌日は、日の出とともに馬の飼い付けを終わらせ、
私はすぐさま、水道管が埋めてある所を注意しながら歩いた。

しばらく晴天が続き、地面が乾いていたのは幸いした。
地面のなかで水漏れがしていれば、ぬかっていてすぐ分かるはずだ。

母屋から出発して、足下にある地面に目を凝らしながら馬小屋まで歩いたが、
どこにも水漏れの気配はない。

「変だなぁ・・・、どこなんだろう・・」
文字通りブツブツ独り言を言いながら頭をひねり、
道路際にある放牧地の桶に水を入れている時だった。

朝日を受けてキラキラと光っている水たまりが目に止まった。

(あったぁ〜、あんな所だったんだ・・・)
その場所は、道路から牧場を仕切る柵のすぐそばで、
思いも寄らないところだ。

シャベルを手にそこへ行くと、あたり一面は沼地のようにグチャグチャだった。
どおりで、頻繁にポンプが水を汲み上げていたわけだ。

そこには、公共水用と井戸水用の水道管を切り替える接続部分が埋まっている。
研修生と一緒に、井戸水を馬小屋で使えるようにしたとき、
公共水用の管を完全に切り離さず、何かの時に切り替えられるように、
コックのついた部品で繋いだ。

コックの真上は、土を入れずに空洞にして、
工事であまった木っ端で箱を作って囲むという、手短な処理をした。
後にもっと頑丈な物を作るつもりでいた。

そして、瞬く間に過ぎた年月とともに、その上には土がかぶり草も生えて、
箱のことをたまに思い出しては、気になっていたがそのまま放置していた。

よく見ると、その付近の沼地化してない地面にいくつもの蹄の後があり、
水漏れの原因は、放牧地から脱出した馬がそこへ乗ったためと分かった。









2014/01/20 0:59:36 | リンク用URL

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