アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Dec

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2018

2018年フチュリティー四方山話 (痛いペナルティーポイント・後編)

2018年のオクラホマフチュリティーの決勝戦で、
あまり例を見ない大きなペナルティーを2頭の馬が発生させたのも
ここで記すべきことかもしれない。
その内容は偶然にもやはりスピンに関するものだった。

最初にそれが起こったのは、Craig Schmersal が騎乗したPale Quistador。
高速でスピンをした後に後肢を滑らせ大きくよろけてしまった。
レイニングの審査に詳しい解説者も
「この場合の採点はどうなるのだろう?」
ともう一人の解説者に聞くほど判断するには難しい微妙な馬の動きだった。

結局、ジャッジのビデオチェックが行われ5点のペナルティーと判定されたため
ジャッジ3人分を合わせると15点のペナルティー(マイナス加点)になってしまった。

その馬の数頭あとに走行した、Andrea Fappani騎乗Money Carloも
スピードにのった素晴らしいスピンをしたまでは良かったが、
スピンをストップさせた後にもう少しで座ってしまいそうなほど両方の後肢がよろけ、
飛節が地面に着いて同じペナルティーの5点が生じた。

白熱した接戦が行われるオープンフチュリティーでペナルティーポイントが付くと
他のマニューバーでどんなに追い上げたとしても上位に入ることはできない。

ペナルティー5点というのは、ペナルティーの点数の中でも最大級で
走行中に下記のようなことが生じた場合に発生する。

(a)腹帯の前で拍車を使用する
(b)手を使って馬の恐怖をあおったり、褒めたりする
(c)鞍を掴む 
(フリースタイル、エントリーレベル、10歳以下ユースクラスなど鞍を掴むことを許可されているクラスを除く)
(d)馬の膝か飛節が地面に着いた場合
(e)明らかな馬の反抗 
(キッキング、噛みつく、バッキング、立ち上がる、ストライクする)

今年のフチュリティーオープンクラスレベル4では、
Jason Vanlandingham 騎乗の A Vintage Smokeが、
スコア225・5点で優勝し、賞金$165,000ドルを獲得した。

レイニングは馬にとても激しい動きを課せられる馬術だ。
マニューバーの一つである、スライディングストップは馬の脚に過度な負荷がかかり
飛節を痛める馬が多い。

その上、フチュリティーを目標にトレーニングされる馬たちは、
心身ともまだ成長しきらない3歳という若い年齢で完璧さを求められる。
私の一方的な感想かもしれないが、今回スピンの後にふらついた2頭は
疲労のためスピンをストップした時に後躯を踏ん張り切れなかったのだと感じた。

今回のフチュリティーは、
予選とファイナルを合わせた3走行の中でランインのパターンが2回あった。
パターンを走行するとき、最初のマニューバーは人の度肝を抜くような印象付けを
しなければならないため、競技場の調整運動で騎乗者が通常より馬に多く
ストップさせるのは容易に想像できる。

人はレイニングの過酷なトレーニングに馬が対応できるように、
従順な性格と強靭な身体、騎乗者に対してのするどい感覚を備えた血統を追及してきた。

レイニングホースの血統を選りすぐる歴史は50年ほどになり、
今日生まれてくるレイニングの血を引いた馬は、
その従順さゆえにトレーニング中に死んでしまうものもいる。

今年のフチュリティーチャンピオンになった A Vintage Smoke の走行を見ると
レイニングのトレーニングの激しさが垣間見られる。
ランインで馬場に入場しスピンを済ませてまだパターンの前半なのに
この馬の息の上がり具合を見ると、よく最後まで演じ切ったと安堵したほどだった。

162-096jason.jpg


(Jason Vanlandingham騎乗、A Vintage Smoke。写真はNRHAサイトから引用しました。)

その走行動画は、下記のサイトで見られます。
http://nrhafuturity.com/videos





2018/12/21 23:40:58 | リンク用URL

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